動画内容を巡り法的措置も…山本喧一と前田日明の間に何があったのか?

ヤマケンこと山本喧一が運営するYouTubeチャンネル「Yamaken Tube」の内容に、前田日明から抗議が来たようだ。

しかも弁護士を通じ、文書で法的措置をチラつかせているというのがから穏やかではない。

山本喧一と前田日明はもともとそんなに悪い関係ではないと思われていただけに、多くのプロレスファンにとってこの展開は想定外だったようだ。

山本喧一と前田日明の間に何があったのかを検証してみた。

Ymaken Tubeとは?

Yamaken Tubeとは、元プロレスラー・格闘家で現在は北海道でジムや居酒屋を経営する山本喧一のYouTubeチャンネルである。

YouTube

UWFインターナショナル、キングダム、リングス、UFCで活躍したプロフェッショナルレスラー、シュートレスラー山本喧一のY…

一人でずっとトークする深夜ラジオのような地味な動画スタイルだが、UWFインターナショナル時代やリングス時代の暴露話がユーザーから好評で、YouTubeチャンネルとしては後発ながら登録者数が急上昇していた。

動画からUWFインターナショナル~リングスの人間関係が浮かび上がってくるのが聞き所だ。

前田日明や髙田延彦に関しては、いわゆる裏話的なものもあったが、批判的なトーンではない。両者とも、UWFに欠かせないカリスマとして山本喧一自身がリスペクトし、人間的にも好きだったことが十分に伝わってくる。

一方で、田村潔司、宮戸優光、金原弘光あたりにはわりと厳しい評価をしている。特に田村潔司に関しては、人格や行動を全否定する発言を繰り返しており、心底嫌いなのだろう。

また、安生洋二、中野龍雄、垣原賢人、桜庭和志、高山善廣あたりは時折いじりつつも世話になった先輩として、やはり立てている様子が伺える。

こういったUWF界隈のリアルな人間関係に触れたコンテンツは、今までありそうでなかった。

また山本喧一の場合、上記のUWFレジェンドたちとは田村潔司以外はさしたる遺恨もなく、その分、公平な視点から語れる強みがある。

そういった部分がユーザーから評価されて、急速に人気を拡大していたのだと思う。

山本喧一のもとに届いた前田日明側からの抗議文書の内容

順風満帆と思われたヤマケンのYouTuber生活に突如暗雲が立ち込めたのが2020年の6月8日。

「水到りて渠成る Episode.0」と題した動画の中で、前田日明の代理人を名乗る弁護士から、法的措置をチラつかせた文書が届いたことを発表した。

具体的にはリングス社員への暴力と、脳の持病があることで記憶をなくしやすく、それが奇行の原因だと語っていた2点について、事実無根だと物言いがつき、前田日明関連のすべての動画を削除するよう要求している。

ヤマケンが動画で弁護士からの文書を読み上げる際、文書を持つ手が少し震えているように見える。こうした展開がヤマケン自身にも想定外で動揺していたのではないか。

山本喧一が前田日明について語っていた内容とは?

山本喧一は「Yamaken Tube」で前田日明について「暴君伝説」と題してVol.1からVol.3まで3本の動画を上げていた。

前項で挙げたリングス社員への暴力、脳の持病とともに、U女史こと内田統子女史についても詳しく語っており、これも前田側にとって触れてほしくなかったのではないかと思われる。

内田統子女史は前田日明の元恋人、もしくは元妻とする説もある女性だが、実際にはリングス社内でPRIDEへの選手引き抜き工作の一端を担ったスパイだったとされており、ヤマケンも動画で前田のU女史の関係やスパイ行為について語っている。

前田が黒歴史として封印しているリングス末期のU女史ネタをペラペラと話すヤマケンを見て、前田が「こいつを放置したら、後々何をしでかすかわからない」と考えたとしても不思議ではない。

前田日明がYamaken Tubeに法的措置をチラつかせた目的は?

また、前田日明には他にも触れてほしくない事柄がある。たとえば以下のようなことだ。

・前田日明はガチンコの公式戦を一度も経験していない
・リングスの試合は大半がワーク(ヤオ)だった
・前田日明の少年時代やんちゃ伝説や喧嘩武勇伝は嘘である

SNS時代になり、あらゆる嘘や幻想がめくれていく情勢の中で、近年の前田日明は「格闘家」を自称しなくなったし、武勇伝を自分から話すこともなくなった。

ただ、厄介なのは「カミングアウト」もしていないのである。

そこら辺のことは曖昧にしたままいくつもりなのだろう。

前田日明がYamaken Tubeに過剰反応したのは、前田が「曖昧なままにしておきたい事柄」について、ヤマケンが話してしまう恐れがあるので牽制しておきたかったのではないか。

前田がガチ未経験であること、KOKルール以前のリングスの試合は大半がワークであることは、現在のプロレス・格闘技ファンの間では周知の事実なのだが、ヤマケンのような当事者がカミングアウトすると、やはりインパクトはある。

また、前田日明の不良やんちゃ伝説や喧嘩武勇伝については全部が嘘というわけでもないのだろうが、SNSがない時代にキャラ作りの一環として「盛って」話していた事柄を当時のファンが真に受けてしまい、それをいまさら否定できずに現在まで来てしまったという不幸な経緯がある。

どこかで「あれはネタだから」と言えるタイミングがあれば良かったのだろうが、現在の情勢ではそれも難着陸すぎる。

また、Yamaken Tubeへの反応が強すぎたため、「自分の放言には甘いが他人には厳しい前田日明」という印象も植え付けてしまった。

前田側にしても、「ヤマケンが暴露しはじめた」という噂をもとに動画をロクに観ずに、ヤマケンへの文書送付をしてしまった可能性がある。

Yamaken Tubeの動画をよく観れば、ヤマケン側に前田への悪意がなく、むしろリスペクトを示していることがよくわかるはずなのだが。

いずれにしてもUWF史の語り手としては、ヤマケンの方が圧倒的に才能があるので、どこかで和解することを願いたい。

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